🕊️ マハトマ・ガンジー｜非暴力で帝国を揺るがし、国を変えた“魂の指導者”

1. 少年時代 ― 内気で平凡な少年だった

ガンジーは1869年、インド西部の港町ポールバンダルに生まれた。
幼い頃の彼は、特別に強いわけでも、雄弁なわけでもなく、
むしろ恥ずかしがり屋で気弱な性格だった。

だが、彼の心の奥には
「正しいことをしたい」という静かな炎があった。

ガンジーは若くしてイギリスに渡り、法律を学ぶ。
西洋文化に触れ、価値観を広げるが
人生を変える出来事は留学後の南アフリカにあった。

列車の一等車に乗っていたガンジーは、
“肌の色が違う”という理由で不当に降ろされ、
夜の駅に放り出された。

彼はその夜、凍えるホームで強く誓った。

「この不正と闘おう。
ただし暴力ではなく、真実と勇気で。」

南アフリカでの差別を目の当たりにしたガンジーは、
“非暴力・不服従（サティヤーグラハ）”という思想を生み出す。

これは、
暴力を使わず、不正に「従わない」ことで変革を起こす方法。

この思想はのちに世界中の平和運動の基礎となった。

ガンジーはインドへ戻り、
イギリスの植民地支配に立ち向かう。

中でも象徴的なのが 「塩の行進（1930）」。

イギリスが塩の製造を独占し、貧しい人々にも税を課したため、
ガンジーは 400km を歩き、
海辺で塩を作って「不服従」を示した。

暴力なし。
ただ歩いて、ただ塩を作った。

しかしこの行動が世界中に広まり、
イギリス帝国を揺るがした。

「弱い者の武器は非暴力である。」

1947年、ついにインドは独立を果たす。
ガンジーは軍隊を率いず、銃を持たず、
非暴力のみで巨大帝国を動かした唯一の人物になった。

しかし、独立後の宗教対立を巡る混乱の中、
ガンジーは暗殺されてしまう（1948）。

彼は最後まで
「憎しみではなく、愛を」
と訴え続けた。